【伊藤潤二傑作集 富江】のあらすじや見どころ紹介！

　

【伊藤潤二傑作集 富江】のあらすじ・概要

ある日、美しい女子学生がバラバラ死体で見つかった。名前は「富江」。その凄惨な死にざまに校内は騒然となったが、彼らはさらに驚愕することとなる。「富江」が実は生きていて、生前と変わらぬ姿で登校してきたからだ。それからというもの、「富江」は人間という枠からはるかに逸脱した存在となる。その妖しい眉目の秀麗さにより男を虜にし、魅了された男はどういうわけか彼女をバラバラにして殺したいという願望を持つようになってなんとそれを実行に移してしまうのだ。しかし「富江」は死なない。何度バラバラにされても分裂した肉片それぞれが「富江」となり彼女は永遠に生き続ける……。

【伊藤潤二傑作集 富江】の登場人物

【伊藤潤二傑作集 富江】の見どころ

正体不明！？「富江」の底知れぬ不気味さ

男をたぶらかす女性のことをよく「魔性の女」と呼びますが、「富江」はそんな生易しいものではありません。文字通り殺しても死なない、マジの魔物です。殺して、バラバラにして、原型がなくなるほどの肉塊にしても、一滴の血からでさえ蘇って分裂し無限増殖していく。なんやこいつヤバすぎるぞ。

ある時は聖職者たる教師を、ある時は新進気鋭の画家を、またある時は純真無垢な少年を弄びその心を蹂躙する「富江」。そして彼らは彼女を殺さずにはいられない。理由なんかない！だって殺したいんだもん！

ということで「富江」をめぐる愛憎劇は、一転してホラー＆スプラッターの様相を呈することとなります。伊藤潤二先生のホラー全開絵柄で描かれる男の狂気と「富江」の死と再生から、恐ろしくも目が離せません。

まともそうな男が狂っていく様が面白い

「富江」は男を狂わせます。色香に迷うなんてものじゃない、真の狂気の渦に巻き込んでしまうのです。いかにもモテませんといった風貌の陰キャボーイからそれなりに女性経験が豊富そうなイケメンまで、百発百中で落としまくり。パッと見、「お、今回のこの男は大丈夫そうだな！」と思わせるような理知的な男が登場しても「富江」と相対すればたちまち精神が崩壊していき、だいたいが非業の死を遂げます。人間がイカれていく様が面白くて好きだという趣味の悪い奇特な人は気に入るかもしれませんね！

一話完結かつ全2巻なのですぐに読める

基本的に一話完結なのでちょっとしたスキマ時間にもキリのいいところまで読めてしまうので、通勤・通学、お昼休みや注文したランチを待ってる時間などの暇つぶしにぴったり。しかも全2巻というソフトなボリュームなので、飽きっぽい人でも最後まで読み通すことができます。

「女の敵は女」ならぬ「富江の敵は富江」

「女の敵は女」という言葉をご存知でしょうか。要は異性よりも同性をライバル視することを指すのですが、登場人物の項目でも書いた通り「富江」は同性の敵を作りやすいのです。絶世の美人であることへの妬み嫉みもあるだろうけど、性格も悪ければ男癖も悪いのが一番の原因でしょう。しかし究極生命体である「富江」にとってはそんなもの痛くも痒くもない。

ましてや男なんていともたやすく下僕にできる。では「富江」の敵とは一体何なのか？それは分裂した別個体の「富江」です。唯一自分に対抗しうる存在を「富江」は決して許しはしません。それも直接やりあうのではなく自身に忠誠を誓う男を手駒として扱い、謀略の限りを尽くすリアルポケモンバトルの勃発です。彼女たちは絶対に「富江」同士で同盟を結んだりはしない。自分が最強の「富江」だと理解しているから…！

【富江】の映像化について

『富江』は、なんとこれまでに8回も映画化されています。

ちなみに↑で紹介しているのは8作目の『富江 アンリミテッド』。映画化だけではありません、アニメ化・ドラマ化とその影響は数知れず！その圧倒的な人気ぶりがうかがえますね。

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